社会不安障害(SAD)について

人前に出ると、どのように見られているのかを必要以上に気にしてしまい、強い不安や緊張がでてしまう病気です。「恥ずかしい思いをするのではないか」という通常の不安・緊張を明らかに超えていて、紅潮や発汗、ふるえ、腹痛などの症状があらわれる場合もあります。また、このような症状が出ることを恐れて、人が集まる場所を避けるようになります。その結果、学業や仕事、私生活上の人間関係に支障を抱えてしまいます。
特定の状況下で、以下の症状が見られます
- 強い不安
- 強い緊張
- 頭が真っ白になって、何も答えられない
- 声が出なくなる
- 手足や声が震える
- パニックになる
- 息苦しさ
- 汗をかく
- トイレが近くなる
- めまい
- 動悸
- 赤面する
症状の出やすい状況としては、以下が挙げられます
- 会議で意見を言う(特に自分の報告・発表など)
- 人前でおならが出そうになった時
- 自宅外でトイレへ行かなければならない時
- 上司やあまり面識のない人との会話
- 試験や面接を受ける時
- 人前での発言・スピーチ
- 社会的立場が上の人との面談
- 会社で電話をとる時
- 受付で手続きをする時
- 人前で文字を書く時
- 会食やパーティに参加する時
こうした強い不安を避けるため、また人に知られたくないと考えるあまり、周囲の人々との接触や、人前での活動を避けるようになってしまいます。
社交不安障害の原因はまだはっきりとわかっていません。神経伝達物質セロトニンのバランスが崩れ、神経が過敏な状態に置かれるからではないかと言われています。薬物療法では主にSSRIを用いますが、効果があらわれるまである程度期間がかかります。そのため比較的効き目が長い抗不安薬や、他の薬剤を使うこともあります。その他、認知療法・行動療法・森田療法などの訓練要素のある精神療法を専門的に行っている医療機関もあります。
社会不安障害(SAD)に関してよくある質問
- 人前で話すのが苦手です。これは社会不安障害でしょうか?
- 人前で話すのが苦手な方は、ごく普通にいらっしゃいます。
しかし、「顔があかくなる」「たくさんの汗が出る」「胸がつまった感じがする」などの症状が現れる場合、社会不安障害の可能性が考えられます。